旅先は、夢で見た場所

目をつぶっていた時に、

何度か繰り返し見た景色がある。

 

 

煉瓦の建物。

石畳の道。

見たことのない模様が刻まれた石。

何かの紋様のような印。

ヨーロッパのどこかのようだった。

しばらくはどこと特定できないでいた。

だけど、調べていくと、

イギリスの風景にとてもよく似たものが多いことに気づいた。

どれも行ったことのある場所ではない。

 

ロンドンは、過去に一度訪れたことはあるが、

どうもそこの様子とは違う。

 

あるきっかけがあって、

それがもしかしたらスコットランドではないかと

さらに写真などを頼りに探ってみると、

なんだかもうその通りなのだ。

 

もちろん、わたしが”見た”景色の写真が

物理的に手元にあるわけではない。

だから、証拠なんてないのだけれど、

ノートに記していた、文字と絵が示すのは、

わたしが後から映画やドラマ、

本やネットの画像で見つけた特徴と一致するものだった。

 

馬鹿げてるのかもしれない、と思いながら、

どこかで

「どうしても」見に行かなければいけないと

そうするしかないと頭も体も反応している。

 

こうやって旅を決めたのは、実は初めてではないのだけど。

 

旅はいつもそうだけど、

これはきっと大きな転機になるだろう。

 

ーーをしたいから、って具体的な理由が

すらすら上がる時ほど、

観光っぽい旅になっちゃうんだよな。

だから、

「気になるから」「行きたいから」って

選んだ場所の方が正解。

 

でも、

夢で見たのが一番の理由、って

わたしは人を選んで話すだろう。